九州大学病院 薬剤部

薬剤部について

研究内容

  • 免疫チェックポイント阻害薬使用患者を対象とした包括的な副作用管理体制の有用性の調査研究

はじめに

 九州大学病院では、最適な治療を患者さんに提供するために、病気の特性を研究し、診断法、治療法の改善に努めています。このような診断や治療の改善の試みを一般に「臨床研究」といいます。その一つとして、九州大学病院薬剤部では、免疫チェックポイント阻害薬を投与した患者さんを対象として、より安全に免疫チェックポイント阻害薬を使用するために、副作用管理体制の有用性に関する「臨床研究」を行っています。今回の研究の実施にあたっては、九州大学医系地区部局臨床研究倫理審査委員会の審査を経て、研究機関の長より許可を受けています。
 抗がん薬の中で免疫チェックポイント阻害薬と呼ばれるお薬は、がん細胞がもつ免疫細胞の攻撃から逃れる仕組みを正常化させ、免疫細胞の働きによってがん細胞を攻撃します。これまでの抗がん薬とは異なる作用でがん細胞を攻撃するため、発生する副作用について、いつ起こりやすいのか・どのような人に起こりやすいかなどの情報は不十分です。治療する患者さんに不利益が起きないよう、副作用に対する情報の蓄積とその対策方法の整備が必要となっています。九州大学病院では免疫チェックポイント阻害薬を正しく使用し、副作用の早期発見・早期治療を実現するために、医師・看護師・薬剤師からなるチームを結成しました。その中で、治療する際に必要な検査を行い、副作用が起きた時に早期に適切な対応がとれる体制を整備しました。今回、この整備した体制により、免疫チェックポイント阻害薬の副作用を早期に発見し、副作用に対して円滑に治療ができるかを明らかにすることを目的とします。

対象

 九州大学病院において平成26年9月1日から平成30年5月31日までに免疫チェックポイント阻害薬の使用を開始された方270名を対象にします。なお、研究の対象者となることを希望されない方又は研究対象者のご家族等の代理人の方は、下記連絡先までご連絡ください。

研究内容

 この研究を行う際は、カルテより下記の情報を取得します。免疫チェックポイント阻害薬による副作用発現時の対処および転帰を調査し、副作用管理体制の有用性を評価します。また、取得した情報と免疫チェックポイント阻害薬による副作用の発現との関係性を分析し、免疫チェックポイント阻害薬による副作用発現にかかわるリスク因子を明らかにします。

〔取得する情報〕
 年齢、性別、身長、体重、使用レジメン、PS、合併症、既往歴投与量、投与期間
 血液検査結果(血球数、総蛋白、アルブミン、BUN、クレアチニン、尿酸、総Bil、直接Bil、AST、ALT、LDH、ALP、γ-GTP、アミラーゼ、CK、グルコース、CRP、Na、K、Cl、Ca、P、総コレステロール、LDL-C、HbA1c、PT、APTT、Fib、D-ダイマー、RF、抗核抗体、KL-6、TSH、F-T4)、irAEの発現時期および発見に至った経緯、irAE発現時の対処および転帰、irAEに対する患者理解度

〔情報について〕
この研究において得られた対象者のカルテの情報等は原則としてこの研究のために使用し、研究終了後は、九州大学病院薬剤部において同分野准教授・副部長 江頭伸昭の責任の下、10年間保存した後、研究用の番号等を消去し、廃棄します。

 また、この研究で得られた研究対象者の試料や情報は、将来計画・実施される別の医学研究にとっても大変貴重なものとなる可能性があります。そこで、前述の期間を超えて保管し、将来新たに計画・実施される医学研究にも使用させていただきたいと考えています。その研究を行う場合には、改めてその研究計画を倫理審査委員会において審査し、承認された後に行います。
 

患者さんの個人情報の管理について

 対象者の検査結果やカルテ情報をこの研究に使用する際には、対象者のお名前の代わりに研究用の番号を付けて取り扱います。対象者と研究用の番号を結びつける対応表のファイルにはパスワードを設定し、九州大学病院薬剤部のインターネットに接続できないパソコンに保存します。このパソコンが設置されている部屋は、同分野の職員によって入室が管理されており、第三者が立ち入ることはできません。
 また、この研究の成果を発表したり、それを元に特許等の申請をしたりする場合にも、研究対象者が特定できる情報を使用することはありません。
 この研究によって取得した個人情報は、九州大学病院薬剤部 准教授・副部長 江頭伸昭の責任の下、厳重な管理を行います。
 この研究に参加してくださった方々の個人情報の保護や、この研究の独創性の確保に支障がない範囲で、この研究の研究計画書や研究の方法に関する資料をご覧いただくことができます。資料の閲覧を希望される方は、ご連絡ください。
また、ご本人等からの求めに応じて、保有する個人情報を開示します。情報の開示を希望される方は、ご連絡ください。

研究期間

この研究期間は、平成34年3月31日までです。

薬学的な貢献

 免疫チェックポイント阻害薬の副作用を早期に発見し、副作用に対して円滑に治療ができるようにすることは、免疫チェックポイント阻害薬を適正に使用するためにたいへん意義あるものと考えられます。

研究機関

研究実施場所:九州大学大学院病院薬剤部
研究責任者:九州大学病院薬剤部 准教授・副部長・江頭 伸昭
研究分担者:九州大学病院薬剤部 副部長・渡邊 裕之
      九州大学病院薬剤部 薬剤師・秦 晃二郎
      九州大学病院薬剤部 薬剤師・佐田 裕子
      九州大学病院薬剤部 薬剤師・南 晴奈
      九州大学病院薬剤部 薬剤師・池田 宗彦
      九州大学病院薬剤部 薬剤師・益口 賢
      九州大学病院薬剤部 薬剤師・熊谷 史子
      九州大学病院薬剤部 薬剤師・田川 慎二
      九州大学病院薬剤部 薬剤師・松本 慎太郎
      九州大学病院 皮膚科 准教授・内 博史
      九州大学病院 呼吸器科 助教・田中 謙太郎

連絡先

担当者:九州大学病院薬剤部 薬剤師・秦 晃二郎
連絡先:〔TEL〕092-642-5940(内線5940)
    〔FAX〕092-642-5937
メールアドレス:kohata@pharm.med.kyushu-u.ac.jp

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